6月7日ーモンゴルロケより

6月7日-ウランバートル
旅はこの街から始まった。そう広大なる草原の国モンゴルだ。街を守る獅子に見送られながら、昨年の秋に見つけた狼の巣のチェックだ。果たして凶と出るか吉と出るか。子供の狼を見つけられるだろうか?写真家はイラストレーターとは違うから現場にいかなければ話にならない。しかし現場にい行っただけではダメで、結果が伴わなければいくら苦労しても、そんなものは何にもならないのだ。8時出発、私を載せたランクルは一路500km、約10時間以上の旅に出発した。

6月8日ーアネハヅル
ウランバートルから5時間近く走っただろうか? 最初に出会った動物はアネハヅルだった。アネハヅルは、世界で一番高いヒマラヤ山脈を超える、世界で一番小さなツルで、私が世界で初めてそのヒマラヤ超えの映像化を試みて。NHKで番組を制作したツルなのだ。
昔来た時私は西モンゴルでアナハヅルの繁殖の様子を撮影したが、北東モンゴルでも分布しているのを今回初めて確認した。何万というアネハヅルがいるのだからさらにシベリヤの方でも、繁殖しているとお思われるが、ロシア極東のハバロフスクでは私は確認していない。しかしこの広大なモンゴルの大地でも、ポツンポツンとしかアネハヅルは見つけられない。モンゴルはそれだけ広大なのだ。アネハヅルがまとまっている村を見つけた。しかし子連れはまだ少なく、繁殖年齢に達しない若鳥の群れだろう。恐らく親たちは子育てしている最中なのだろう。花が咲き乱れる湿地に300羽はいるだろうか?

6月9日ーマナヅル
さらに進むとマナヅルのカップルにも出会った。しかし数は俄然少ない。かつて九州の出水市のあの干拓地で見かけた中の2羽かもしれない。出水までの直線距離にしても数千km。まさにツルの飛翔能力はすごい。いつも思うのだが、カップルの形成はいつ行われるのだろう。生まれて成長しながらここモンゴルから日本の出水に飛んでゆくわけだが、越冬地でそれは行われなければ次の年に繁殖は間に合わない。まさに出水は恋の主戦場なわけだ。親離れした若いカップルは、モンゴルのこの地で繁殖してまた代を重ねてゆく。頭では分かっていても、それはやはりすごいことではないだろうか?アネハヅルが日本に飛来する数は少数で、ほとんど迷鳥だ。恐らくここモンゴルで繁殖して、マナヅルと共に日本に来てしまうのだろう。日本で冬を越すマナヅルの、モンゴルはロシアと共に故郷の一箇所だ。

6月10日ー寒い
天気が不安定だ。風はひっきりなしに吹いているし、雲も多い。夜テントが風に揺れる。ドライバーは気を使って私をテントに寝かせてくれたが、ゲルの方が暖かいかもしれない。ゲルとはモンゴルの代表的な遊牧民の家だ。この天気が続くようならゲルに逃げ込もう。
翌朝見たらどうりで寒いわけだ山の頂上は雪がかぶっていた。

6月11日ーアネハヅル遊ぶ
ベースキャンプを村からさらに1時間入った谷間に設営した。谷間でないと風が強くとてもテント暮らしはできない。ゆってみれば言ってみれば、オオカミのいる草原の王国の中でのキャンプだ。オオカミの遠吠えが聞こえたら最高だ。数は少ないがペアーのアネハヅルがここでも見受けられた。
若鳥だろうか2羽でじゃれ合っている。こんな時にカップルが形成されるのかもしれない。1羽のアネハヅルが枯れ草を嘴に銜えて、放り投げて遊んでいる。北海道の根釧原野で見たタンチョウと同じだ。投げては拾いまた喰わえ直して遊んでいた。

6月12日ーオオカミ巣穴探し
今回も牧場主のjorgo氏と一緒だ。昨日から一体何個の巣穴を確認しただろうか?しかし昨秋有望だと思われたオオカミの巣穴は利用していなかった。残念。やはり世の中それほど甘くは無い。一つ一つ穴を覗き込み痕跡や、穴の中で鳴き声がしないか、聞き耳を立てる。しかし今日もオオカミの幼獣は見つからなかった。

6月13日ーオオカミはこんなところに巣を作る
日本のキツネたちがわりと見晴らしの良い場所に巣を作るのに比べて、オオカミはやはり非常に用心深い。モンゴルでは害獣のため、人間に追われているせいだ。冬来た時にはわからなかったが、夏になると草が生い茂り、オオカミの繁殖にとっても都合がよくなる。薮をかきわけ、ようやく1箇所の巣穴を探したが、古巣だった。穴の深さは2m位で浅い巣穴だった。

6月14日ー燃えるような夕焼け
日没は夜の9時前後だ。朝6時から草原を駆け巡っているから1日15時間労働みたいなものだ。しかし働けど働けど我が願い成就せず。どこかで聞いたような台詞だ。こちらの胸の内が伝わったのか、夕焼けは久しぶりに見る色だった。普段デジタル処理はあまりしないほうだが、この写真はデジタル処理を全くしていない。

6月15日
狼の撮影は忍耐の一時だ。早朝6時簡単な朝食を済ませ狼探しに出かける。もし狼が見つかったら、その地形を考慮しjorgo氏が、私が狼がでそうな場所を支持し、広大な草原においてゆく。そして車は立ち去りカモフラージュのネットをかぶりひたすら待つのだ。細い松ノ木に寄りかかり、レンズを来るべき方向に向けただ待つのだ。はるか1kmはあるだろうか?私は誰かがこちらをむいて立ち止まっているのを見つけた。数秒前にはその稜線には、誰もいなかったのだ。そうあいつだ。ようや私のくレンズの前に立ってくれたのだ。しかも既にあいつは、私のことを認識していて、私のことを注視し続けている。さすが狼だ。私の右手の人差し指は、レンズを風で揺さぶらされないように注意深くシャッターを押した。今回はじめての親のオオカミとの遭遇だ。ラッキー!

6月16日
今日も朝から巣のチェックだ。jorgo氏がオオカミの巣の前ではじき罠を見つけた。このあたりの遊牧民にとってオオカミは害獣でしかないのだ。毛皮にしても国外には持ち出せないし、ただ殺すために罠をかける。まったくアアーーなのだが、彼らからみればそんなこと関係ないし、自分の財産を食べてしまう邪魔者なのだ、オオカミは。この構図はネパールのユキヒョウとまったく置かれている立場はまったく同じだ。政府は貧乏で、遊牧民の国際保護動物に対する保証する能力など、無いのが現実なのだ。

6月17日-オオヤマネコ
昼を回ったころだろうか、巣を確認しているそのときだ、jorgo氏がヤギだとつぶやいた。ヤギ??? しかも1頭で???私は不思議に思った。ヤギが穴を掘ってるぞ、、、そんな馬鹿な、、、、車から250-300mはあるだろうか?色は茶色く大きさもヤギの成獣位はある。車にセットしてある三脚に800mmを乗せる。ややhっは。耳の後ろに白紋がある。もしやオオヤマネコ、、、? 予想は的中した。モンゴルでhorse shiluusと呼ばれるまさにオオヤマネコだ。しかも後ろ向きでこちらには気がついていない。なんてついてるんだ。穴を掘っているように見えたのは、獲物を狙って伏せの状態だったのだ。ワア!はじめてみるオオヤマネコ、興奮で指が震えた。

旅の途中でアップできる場所に一時出ましたので順次更新してゆきます。相変わらずオオカミの大草原にてロケ続行中、巣のチェックしながら仔オオカミ探しています。

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